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(C)Two-Way/総合/小学校3・4・5・6年/都市づくり/トイレパニックとまちづくり
高山佳己(TOSS静岡/浜松ジャルダン/西部模擬授業サークル)
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防災に強いまちづくりとは何かを考えさせる。施設の充実もさることながら,対応能力,リーダーシップ,人々の協力で困難を乗り越えることも大切である。ライフスキルにも通じるまちづくり教育の授業を提案。
1 導入 「水を下さい」(阪神淡路大震災)
□写真「水を下さい」
この写真をよおく見てください。(間)運動場にかかれた「水を下さい」の文字。
□映像「阪神淡路大震災」
「1995年1月17日。阪神淡路大震災。神戸市内の水道は止まりました。」
□写真「水を下さい」
発問1 「水を下さい」 何に使う水がほしかったのですか。ノートに書いてご覧なさい。
※列指名
□必死で水を確保する写真
「飲み水」
「消火用の水。」
「病院の治療用の水。」
「トイレの水。でした。」
2 水の流れない水洗トイレ
□無惨なトイレの写真の数々
「地震直後,神戸市内550カ所の避難所に避難した人は22万人。それがわずかな数のトイレに殺到しました。水洗トイレは,糞尿の山と化しました。」
「食べることより出す方が先。」
「苦しい思いをして得た水はなかなかトイレに使えなかった。」
「被災者の声です。」
発問2 水洗トイレの水が流れない。みなさんなら,どうしますか。考えをノートに書きなさい。
※列指名。
3 工夫と苦労のトイレの数々
□工夫と苦労のトイレの数々の写真
「砂場トイレ。」
「石油缶トイレ。」
「危険ですが,マンホールの上に直接作ったマンホールトイレ。」
「プールや川の水を運んで使うトイレ。」
「大便を新聞紙に出し,包んでポリ袋に捨てるポリ袋トイレ。」
□仮設トイレの数々の写真
「2,3日たつと全国から続々と仮設トイレが届けられました。」
「しかし,様々な問題がありました。」
「『糞便が富士山のように堆積して今にも表まで出てきそうだ。』市民の悲鳴です。」
□仮設トイレの利用状況写真
「応援のバキュームカーは,道路は寸断され,なかなか走れませんでした。」
「そこで,学生ボランティアが糞便をならすための棒を持って避難所をかけめぐりました。しかし,被災者が水分を控えているため,固まってなかなか崩せませんでした。」
「仮設トイレはすべて段差があります。これで足腰を痛めたお年寄りは数多くいました。」
「兵庫区原山小学校のリーダー。トイレに詰まった汚物を手に取り皆の前で,「見てくれ,水が不足しているのに今までどおり紙を流したためだ。これからは注意して使い,掃除当番もプールの水くみも皆でやろう」と呼びかけました。」
「灘区原田中学校 金田成男校長。500人近い避難者の前で呼びかけました。
『非常時ということで生徒が授業する教室に避難していただいた。同じ教室に避難された方々は縁があってできた一つの家族と思ってください。家族だからお互いを思いやり,いたわりあってください。家族だからお父さんお母さんを決めてください。そしてこの非常事態を力を合わせて乗り越えましょう』」
□良好トイレの数々の写真
「すてきなトイレも生まれてきました。」
「整理整頓されたトイレ」
「清潔なトイレ」
「EMを利用して臭いをカットしたトイレ」
「手すりをつけ,照明をつけ,階段を緩やかにしたトイレ」
そして,
「花が飾られたトイレ」
4 震災後のトイレの工夫
□東灘区の本山南小学校の雨水タンクの写真
「現在の神戸市内の小学校。地下のタンクに蓄えられた5トンの雨水。普段は花の水やりに利用されていますが,災害時にはトイレの水になります。」
□再度写真「水をください」
発問3 今日の授業の感想を書きなさい。
【参考文献】
「まちづくりにはトイレが大事」(山本耕平 北斗出版)
「阪神大震災 トイレパニック 神戸市環境局ボランティアの奮戦記」(監修 日本トイレ協会 神戸国際トイレットピアの会 日経大阪PR 企画出版部)
【参考HP】
水シリーズ(2)「雨水の再利用を考えよう!」
http://webnews.asahi.co.jp/you/special/2003/t20030313.html
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